RT @ShinyaMatsuura 2009年12月12日(土)〜2009年12月13日(日)、スパコン関連。
////
- 読んだ。興味深い。「GPUコンピューティングの現状とスーパーコンピューティングの未来」:http://www.slideshare.net/pfi/20091210-gpu GPUによるスーパーコンピューティングがここまで来ているとすると、国丸抱えのスパコンはつらいかもなあ。
- そもそも、理研の汎用京速計算機は、汎用CPUを並列化するスカラーコンピューターが優位になる中で「日本がお家芸としてきたベクトルコンピューティングに国費を突っ込んで下支えする価値があるか否か」という問題だった。価値ありとして1000億円を突っ込む体制を作ったわけだ。
- しかし、今年に入ってベクトル技術を保持していた日本電気と日立製作所が撤退。スカラー部分を担当する富士通のみが残った。ところがそのまま事業を進める形で来年度予算を取ろうとして、事業仕分けで引っかかったわけだ。
- ベクトルコンピューティングにもかなり様々な利点があることを、地球シミュレーターの取材をしたときに聞いていたので、自分としてはなんとも判断し難いと思っていた。
- が、肝心のベクトル部分を担当するメーカーが撤退し、さらにスカラーを超えるGPUコンピューティングがこれほどの可能性を見せるようになったとすると、これは本当に一度引いて考え直したほうがいいかもしれない。
- 半導体製造のプロセスは基本的に“印刷”だ。量産するほどに価格は指数関数的に低下する。そこで、専用の作り込んだCPUではなく、パソコンなどと同じ汎用CPUを並列化するという行き方がでてきたわけだ。
- ※「スパコンのダウンサイジング」
- ところが、汎用のスカラーCPUどころでなく、スーパーコンピューターに向いた特質を持つGPUが、汎用品としてじゃんじゃん量産されて市場に出回るとなると、これはもうそちらに行くしかないような気がする。国がいくらベクトルコンピューティングを国費で下支えしても無駄ではないか。
- 積極的に考えると、汎用CPUからGPUへというパラダイムシフトをいち早く捉えれば、スパコン市場で先手を取ることも可能かも知れない。
- RT @ShinyaMatsuura ベクトル型・スカラー型・GPUそれぞれ利点欠点あって、理研もちゃんとGPUは注目して、何に有効で何が問題かも研究しています。スカラー型は時代遅れみたいなミスリードは勘弁してください
- @minimomi 利害得失があるのは当然ですが、これは「未来がどこにあるか」を読んで、どこに国費を突っ込むかという決断の問題だと思うのです。正直、GPUにここまでの可能性があると思っていなかったので、私はショックを受けたのでした。
- 訂正。RT @minimomi ベクトル型・スカラー型・GPUそれぞれ利点欠点あって、理研もちゃんとGPUは注目して、何に有効で何が問題かも研究しています。スカラー型は時代遅れみたいなミスリードは勘弁してください
- ソフトウエアの問題はかなり大きいようだ。特に地球シミュレーターで蓄積されたベクトル型演算を活かすソフトウエアはかなり重要な資産となっているらしいし。だが、汎用京速計算機からベクトル部担当のメーカーが撤退した今、もう一度1000億円の賢い使い方を考えてもいいように思うのである。
- ※ロータス123のマクロが大事だからエクセル移行むりです。と見るか、先端研究者がそんな事でどうする、と見るか。どっちを取るかもいつ選ぶかも、博打。誰かが背負えない組織(カタギ、公家、カスミガセキ、トラノモン、マルノウチ、aka.民主主義?)にこの決断をやらせると、、、双頭型になるのか。
- もう一つ、自分によく分かっていないのは、GRAPE-DRのような専用計算ハードとの関係。汎用京速計算機の目標として「新たなシミュレーション技法の開拓」があり、そのためには専用ハードではない汎用計算機が必要ということであった。
- ありがとうございます。DLしました。 RT @mikumiku_aloha http://www.ssken.gr.jp/MAINSITE/download/newsletter/2009/20090903-sci-1/lecture-1/ppt.pdfの資料の23P。
- ※『An Overview of High Performance Computing and Future Requirements』Jack Dongarra, University of Tennessee Oak Ridge National Laboratory
- P23『Future Computer Systems』
- 結局のところ先の見えない未来への投資は、どこかで思い切って判断して「えいやっ」で行うしかないのだが、ここで国費投資の問題点は、官僚組織は「今日の続きの明日」しか理解できない傾向があること。現実には技術的飛躍などいくらでもある。国費投下が失敗する原因の一つである。
- @ogochan ううむ、なるほど。RT @ogochan 今後が期待出来るアーキテクチャ上でないと、「新たな技法」は意味がありません
- @espilab それは私もひっかかるところです。スパコンの問題は演算能力世界一位はもちろんのこと、日本の半導体産業復活という産業政策をも含まないといけないのではないかと思うのです。汎用品の価格低下が強烈なだけに、そこまで視野に入れないと先が見えないのではないかと。
///
- 理研スパコンについて、国立天文台・牧野淳一郎教授の最新の意見。「「仕分け」雑感 (2009/11/25)」: http://grape.mtk.nao.ac.jp/~makino/articles/future_sc/note076.html#rdocsect81
- 『個人的には意外だったのは、マスコミの論調・ネット上での色々な人の感想が〜要するに科学技術を重視しないということである、というようなものであったことです。』
- 『このプロジェクトはこれまでに方針設定のミスを繰り返してきています〜適切な技術状況の理解を背景にした強力なリーダーを欠〜開発実施本部が文部科学省内の評価委員会や総合科学技術会議内の評価 WG に振り回され〜そのような推進体制・過去の経緯に対して文句がついた、ということは、現政権(財務省という話もありますが)が良く内情を理解し、正しい方向に向かうべく指導している、という面も』
- 『そういう状況でもメーカーさんはあまりブレることなく着実に開発を続ける、というのは日本の「国家プロジェクト」と称するものではありがちなわけで〜、 F は着実に開発を進めてきています。』
- ※「上が無能で下が優秀」←意思決定構造の瑕疵。not民族性とかそうゆうの。政治学の問題。政治科学の問題。
- 『2012 年(2011年度末)の段階で〜価格性能比で x86 ベースのシステムに比べると2倍程度になると思われ』
- 『しかし〜それでも〜ムーアの法則に従うなら4倍の性能向上がせいぜいのところを10倍、20倍といった目覚ましい』
- 『言い方を変えると、価格性能比に関する限り現在は10倍近いギャップがあるのを2倍程度までつめる画期的な成果を、マネジメント側の迷走にもかかわらずメーカー側は実現しつつある〜まあ、額面通りに受け取っていいのかどうか?なところはありますが。』
- 『様々な状況を考えると、値段設定さえなんとかなれば Venus はそんなに悪くなく、マーケットでも戦えないとも限らないのでは、と思います。ただ、そのためには自社の 45nm ラインでは量産能力・コストともに限界があり、早急に TSMC の 28nm 程度に移行する必要がありそうです。』
- ※経産党の日の丸半導体FAB構想とか絡みそう。
- 昨日紹介したGPUのプレゼンとはかなり論調が異なる。
- 1)迷走したアーキテクチャ設計に比して、富士通はかなり頑張ってCPUを設計している。インテル/AMDロードマップと比べて、価格性能比の差は2倍程度にまで縮まっている。
- 2)スカラー演算の優位を実現したパソコンCPUの性能向上は、今後スパコン向きの方向に進むかどうか分からない。
- 3)GPUは、パソコン市場で今後CPUとのワンチップ化がトレンドとなる。従ってスパコンに向いたGPUが今後とも性能を向上させつつ大量生産され続けることはなさそうである。
- 引用「値段設定さえなんとかなれば Venus (松浦注:富士通の開発するCPU)はそんなに悪くなく、マーケットでも戦えないとも限らないのでは、と思います。ただ、そのためには自社の 45nm ラインでは量産能力・コストともに限界があり…」
- となると、GPUとか寄り道せずに、このまま事業仕分けなど吹っ飛ばして突っ走ることが正解ということになる。そうすることが、日本の半導体産業を下支えすることにもなり、同時にスパコンのアメリカ独占を阻止し、日本のプレゼンスを示すことにもなる。
- ※結論だいじ。但し、意思決定構造の要路に於ける「ライト・スタッフ」問題残る。総合科学技術会議の高度な科学は魔法に見える。
- ちなみにVinusはこれ。: http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20090514_168533.html 「SPARC64 VIIIfx」という名称で分かるようにSPARC系のアーキテクチャ。
- ううむ、どんどん状況が変わっている。RT @denwaku Intel Larrabee 止めました。この周辺動きが速すぎます最近 http://bit.ly/81961N
- 年単位で動かざるを得ない鈍重な国家プロジェクトが、動きの速い半導体業界のトレンドに振りまわされている。この場合、なんとか「王道」を見極めてそこに集中する必要があるのだが、京速計算機の場合、委員会がトレンドを読めなかったということだろう。その失点を、メーカーの努力が埋めている、と。
- RT @denwaku Intel/NECのHPC提携もありますし、Intel/NVIDIA買収の噂も出てきています。GPU(しいてはHPC)の分野をどうするかの大きい流れがでているのかもしれませんね(その中で京速も止めざる終えない状況に陥っている可能性もあるかも)
- RT @mikumiku_aloha VenusはXeonやPOWER7と違いスパコン専用と言っても良いCPUなので、大きな市場は望めないです。牧野氏の28nmに早期以降して(高速化し)、価格競争力があれば・・・という条件が厳しいのです。
- ※やはり経産党の日の丸半導体FAB構想と絡みそう。
- @mikumiku_aloha しかし、もしもインテルで大量生産されるCPUにもGPUにもスパコンに向いたロードマップが存在しないのなら、ここは日本国として踏ん張りどころ、ということにはならないでしょうか。
- RT @mikumiku_aloha つまり、2014〜2016年ぐらいまでは、スパコンにも使えるロードマップがあると考えて良いと思います
- RT @mikumiku_aloha 「ロードマップが存在しない」と考えられるのはその先なので、その時代までとりあえずCPUを作る組織を維持するという考えはあるかもしれません。
- @mikumiku_aloha なるほどです。やっと問題の核心が見えてきました。大量生産されるCPUがスパコン向けの特質から外れるであろう時期まで、スパコン用CPUの国産技術を維持発展させるべきか、ということなのですね。
- ただし、半導体業界の動きは非常に速いので。今何かを決めたとしても、それもまた現時点での決断にしかならない、と。
- @mikumiku_aloha しかし、それはこれまでのパソコン用半導体のように数量が出ない可能性があるのではないでしょうか。どの程度の市場規模が見込めるのでしょう? 例えば逆にスパコン用 CPUがそちらの市場に進出する可能性はないのでしょうか。色々気になります。
- なるほど。難しいですね。RT @mikumiku_aloha Venusが事実上スパコン専用と思われるのは、整数演算の性能がよろしくないと思われるからです。
*1:ゲーム屋、映画屋VS学者研究者のバト、いやだましあ、いやいや、コミュニケーションの場。