クリスチャン・サイエンス・モニターが紙媒体の発行を終了するらしい。

(※クリスチャン・サイエンス・モニター紙は)、創刊から100年を迎え、これまでにピューリッツァー賞を7回受賞している名門紙。

New York Times紙のオンライン版によれば、1970年には22万部を上回ったMonitor紙の発行部数が現在は5万2000部程度に落ち込んでいるという。これまで、Monitor紙の収入は購読料が中心で、購読料収入の900万ドルに対して紙媒体の広告収入は100万ドル未満だった。

 とゆう事で収入の落ち込みに関心が向いてしまいがちだが、『クリスチャン・サイエンス・モニター』ってところに引っかかった。確かコレ、アンチ・イエロージャーナリズムみたいなモットーを掲げる「フンベツ・ドリブン」の色彩が濃いとどっかで見ていたので。
 んで、その「フンベツの源」がキリスト教

 趣味的には別になんとも思わない。フンベツとか道徳とか良識てのは、煮詰めてくと宗教になると思っているので。迷信と宗教は分けて考えるべきだし(ってもその境目に客観的な指標は無いが)、フンベツとか道徳とか良識の類いを科学や技術で扱おうってのは非科学的だ。また「科学と言う名の迷信」もあり得ると思っている。どちらかと言うと疑似科学より「疑似科学タタキ」に夢中になるほうが迷信くさく思える事もある。

 同紙の発行に伴う年間経費は来年4月30日期で2580万ドルと見積もられ、収益は1250万ドルで、不足分の1330万ドルは全面的に教会が補う形になっている。同紙によると、教会は2013年までに補助金を650万ドルに減らし、次期会計年度では1500万ドルの経費削減を計画。現在の編集スタッフ95人のうち10%から15%を削減する予定だという。
 
 一般の新聞では広告収入が大部分を占めているが、同紙の場合、5万人の購読者による購読収入が大きな比重を占め、広告収入は80万ドルに過ぎない。印刷版とオンライン版を発行している米日刊紙のオンライン新聞からの広告収入は一般的には全収益の8%程度。同紙が全面的にオンライン新聞に移行した場合、収支を改善することができるか疑問視する業界アナリストの見方もある。

 この記事によると、発行経費の51.5%が教会補助(って事はもとを辿れば「善男善女の喜捨浄財」ってことか?)で、広告収入は発行経費の3.1%という、ウルトラ特殊な収益構造のようだ。

 なお、Wikipediaで拾った同紙の特徴は:

  • 通信社を使わず、ほとんどの記事は世界11ヶ国の支局にいる専門記者の手による
  • 記者たちは一時期はほとんどが教会のメンバーであったが、現在はもはやそうではない。
  • 同紙が創刊されるきっかけの一つには、当時の悪評高いイエロージャーナリズム(扇情的ジャーナリズム)に対するエディー(創業者)の意思表示という意味があった。
  • 国内外のニュースに対して、着実かついくぶん陽気なアプローチをする傾向がある。読者の中には、同紙が特に大惨事の報道を行う時にセンセーショナルな方法を取らず、客観性と品性を保っているから気に入っていると言う者もいる。
  • ただし、編集責任者のうち、教会関係者5人で構成される委員会の狭い視野の元で働くスタッフは、教会に関わる論争や不都合な事柄を報道しようとしないという問題はある。

 購読経験のある人の紹介によると:

創始者メリー・ベーカー・エディという女性で、モットーは
「『モニター』紙の使命は、『誰をも傷つけず、人類全てを祝福する』ことにある」
ということでした。
クリスチャンと言ってはいますが、キリスト教徒だけに向けて書かれた新聞ではありません。

 「報道の使命」とか「社会の木鐸」てのを、ぐつぐつ煮詰めてくとこうなるんだろうなという気がしないではない(原型を留めぬまでに煮くずれてる気もしないではないが)。
 この目標に照らして、紙よりいいもんがあるなら躊躇しません。必要なら企業として縮小する事も厭いません。みたいな面は、他の新聞社より強いだろう。

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...ところで近頃BLコミックの広告が入るのはなぜデスカ?