文科省には「特別会計」があまりない。

最近ニュースを見ていて、軍縮反対に東郷提督を担ぎだす帝国海軍艦隊派を見てるような気分が沸いてきた。

「世界一でなければ日本は滅びる」とか、「建艦計画を中止すると日本が滅びる」とか、キモチはわかるし筋もわかるが、、、、国庫厳しいおりにそれだけではただの我田引水に見えてしまうではないか、、、てな事を書こうとしてぜんぜん別の事に気づいた。

文部科学省の支出には、複雑で理解しにくい「特別会計」というものがあまりない。ほとんどは「一般会計」。こちらは多分、「官僚用語」や「霞ヶ関文学」の素養がなくても、比較的わかりやすい。だからツッコミを入れられガチなんではないか。みたいな。

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多くの中央省庁は、一般会計のほかに特別会計というのを持っている。自分としては「うそ!マジ?こんだけぇ?」と思ったのだけど、マジで文科省は「電源開発促進勘定」、ひらたく言うと「原発絡みのお礼金」しか「別のオサイフ」がないようだ。

したがって、H19度の特別会計決算には、「エネルギー対策特別会計電源開発促進勘定」しか乗っていない。上記のように、この特別勘定は、ほぼ一般会計からの繰り入れで賄われている。
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他省庁の場合、〜例えば国土交通省の空港整備特別勘定など〜では、独自事業や目的税に基づく独自の収入源を確保している事がままある。こうした「自主事業」や「目的税収入」があると、一般会計が緊縮でも、特別会計のほうでは大盤振る舞いにも思える支出が続く、、といったことが起きる。特別勘定で「黒字」が出ても、簡単には余所に持っていけないルールになっているからだ。

例えば空港整備特別勘定には、成田羽田の着陸手数料などが入ってくるが、そのお金は「空港整備」にしか使えない。
高度成長期には「受益者負担」でがんがん目的税特別会計を増やしても、それが「みんなのため」になったが、低成長時代に入ると、いつのまにやら「母屋でおかゆをすすっているのに、ハナレでスキヤキをやっている(by 塩爺)」みたいな事が起きる。

んが、この特別会計≒なんとか特別勘定のしくみは、世間一般にはひっじょ〜〜〜〜にわかりにくい。おいらも「わかってます」と言う自信などこれっぽっちも(ゆびくっついてます)ありゃしない(なら書くなよ)。ここに的確なツッコミを入れられるのは、〜もちろん担当省庁を除いてだが〜、、、人材供給源になり得る組織は、財務省くらいのものだろう

チルドレンにゃ無理だし、かといって族議員を育てる訳にもいかない。そういう意味では財務省を「分断して取り込んだ」民主は〜小泉信者として感じる愉快不愉快は別にして〜サスガだ。

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文部科学省には、この「特別会計の防壁」がほとんどない。5兆5千億の支出のうち、少なくとも5兆は「一般会計」だ。こちらは、「部外者でもツッコミを入れやすい」はずだ。納戸もハナレもありゃしない。イマドキ母屋でスキヤキなんて! と、ケンペーさんの目に付き易い。時局柄いかがなものか、てなもんで。

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以下メモ。

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このほかに文科は、サッカーくじという公営賭博を持っている。公営賭博の上がりは公共の利益の為にさまざまな方面に支出されるが、細かく書くと印象が違ってくる。

  • 公営賭博は、
  • 主務官庁の認可を受けた団体が主催し、
  • 主務官庁の認可をうけた公益団体に配分され、
  • そこで公共の利益の為に使われる。

タテマエでは、このオカネの流れは「民間同士」だ。だから、財務省のチェックは及ばないし、国会議員の国政調査権も及びにくい。んでも「天下り」を介して「親元の意向」がよく効くスグ効くスゴク効く。例えば経産省のみなさんは、競輪・オートの上がりを「ジブンのオサイフ」と呼んでいたりする(マジで)。IPA未踏なんとか事業に回してみたりもする(マジで)。

サッカーくじのオカネのながれを一覧にすることは、、、おそらくできないだろう。同様に、競輪・オート(経産)、競馬(農水)、競艇(国交)、宝くじ(総務)の一覧も相当難しいだろう。